Peace

あぁ私はすごく無知のまま生きてきてしまったんだなと時たまとても哀しくなる。


小山田咲子さんの本をメルカリで購入した。新装版ではない初版本を。


もう、最初から最後までなんだか悲しみが止まらなかった。
咲子さんは旅が好きで、24歳の時旅先のアルゼンチンで車の横転事故のため亡くなった。


そのとき車を運転していた恋人は、怪我を負ったものの生きのびた。


何にもない強風が吹きすさぶ荒涼とした地で彼女は亡くなった。今も何にもない道路脇に石碑が建てられている。


本を読んでみて純粋に
なんて博識で聡明でユーモアがあって文章が上手いひとなんだろうと思った。


文章が上手い人はたくさんいるけど読ませる人は少なくて、
咲子さんは難しい話もあるけれど緩急が豊かでついつい先を読む手が止まらなかった。

 

 


冒頭の話になる
世界には色々な、解決されていない、もっと人類が考えなくちゃいけない事象がたくさんあるのに


なにも知らずに生きてきてしまった。自分の無知を恥じる。


ただ、今はそれに向き合えるようなメンタルも体力も持ち合わせていないし気が抜けるとすぐに眠りに落ちるし…

 

 


2日間連休で久しぶりに温泉に浸かってきた。
湯に浸る時も美味しいものをたらふく食べている時も何一つ考えられなくて


ただひたすら自分の快感に身を委ねてしまった。
考えることが何もない幸せってこういうことなんだろうと思うし
ただそれが幸せだとして世界は回らなくて。
落ち着いて落ち込むけれどね。


ただ何も考えない幸せを噛みしめることも生きているということだ。

 

 


みんなどうしてそんなに疲れているの?


疲れた時は温泉に浸かりに行こうよ。
芯からあったまって体と心の凝りをほぐすのだ。


最近ますますお風呂に浸かることがいかに大事かを感じているよ。

 

 

 

 


ひたすらにこの世界で起きている事ついて、また過去の偉大な人々の英知を覗き見ること、それらについて考えを巡らせること


それが大事であることも気がついているのだ。ただ忙しい日々の中で忘れてしまう。
どうしたって目を背けたくなる事柄には目を向けないのが人間の性だ。


そして働くというのはそういうことだ。日々忙殺されて本当に目を向けなくてはいけない事をまるで無いものかのようにしてしまう。


私は豊かさを当たり前のように感じてしまう職業を選んでしまった、そこが間違いだったのだ。想像力の欠如が甚だしくなってしまう。

 


豊かさとは?お金で買えるもののことを言うのだろうか。


物の価値や人の真の姿を忘れてしまう。日本は合理的になりすぎてしまったのだ。

 


ただ、何も考えないでいられる瞬間の尊さと
考えることを止めない先人への畏敬と
そこにエネルギーを費やすことの価値を私は私たちはもう一度思い出さなくちゃ、そして考え始めなくちゃ。

 

 


でないと彼女がどうしてこんな若さで亡くなってしまったのか
その意味をその死を受け入れられないままだ。この先も。


彼女の遺してくれたものを私は一生をかけて探して行かなくてはいけないのだ。
一読者となったからには。
それが残された人にとっての使命なのだ

 

 


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人には人の気持ちなんて、どれだけ考えたところで理解できないけれど


想像力を働かせることは不可欠なんだろう。
想像力をふくらませることはきっと音楽を聞いたり、物語を読んだりする中で養われていくものだ。
人と付き合っていく上でも想像力というのはとても大切なことだけれど、あまりにも想像力に欠けた大人が多過ぎて絶望する。
数字や売り上げ、結果だけを見ているような大人には到底分からないことだろう。

 

 

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最近読んで良かった漫画。読みながら電車の中でちょっとだけ泣いちゃった。

 

3わい